住み替えや自宅の購入などで3階建ての木造戸建て住宅を検討しているあなた。
おそらく決断に迷っていることでしょう。3階建てのことについてスマホやパソコンで検索して情報収集をする中で、どちらかというとネガティブな情報のほうがたくさんあったと思います。
口コミサイトの書き込みなどは特にそういった内容が多かったはず。誰がどういう立場で書いてるのか定かではないけど、「苦労するぞ、大変だぞ、後悔するぞ」と。不安を煽られる内容ばかり。果たしてその口コミを鵜呑みにするべきなのか?やっぱりやめておいたほうがいいんだろうか?
2017年に新築3階建て木造住宅で生活を始めて数年経った私が、その真実をお話しします。3階建てのデメリット、そしてそこに住む覚悟について。
案外3階建ても悪くない
ちょっと煽り気味の書き出しになってしまいましたが、3階建ての家に住みはじめて数年たった今の正直な気持ちをまず最初に書いておこうと思います。
メリットデメリットあるけど3階建てもあり
それまで2階建ての実家と平面的な間取りのマンションにしか住んだことのない私。
正直言って実際に生活を始めるまでは不安でした。勢いで新居購入を決めたものの、3階建てについて調べれば調べるほど不安が積み重なっていく。後悔の念すら湧いてくる。この決断は失敗だったかもしれん…
しかし一度交わしたあらゆる契約を反故にできるはずもなく、神輿に担がれたままのような感覚で手続きが進み、その日がやってきました。
そして引越し作業も落ち着き、なんとなく新生活にも慣れたころ、率直に頭に浮かんできた感想は…「あれ?意外とええやん3階建ても。」という意外なものでした。もちろんデメリットに感じることもあるけど、3階建てならではのメリットもたくさんある、それに気付いたのでした。
その辺りのことはこちらにまとめています。
3階建てならではのデメリットも見えてきた
しかし「ネットに書いてある通りだった」ということや、「こんなデメリットがあったのか」という、生活を始めてから初めて気付いたこともありました。
やはりいいことばかりではありません。平屋や2階建てと比較してネガティブな要素も当然ある。最初から覚悟しておいたほうがいいこともある。
そこで、3階建ての木造戸建てに住んで数年経ったから分かる、3階建てのデメリットを挙げていきます。あくまで個人的な感覚からくるものなので、人によってはなんら気にならなかったりするものもあるでしょう。
それでも3階建てを検討している人にとって何かの判断材料になれば。
3階建てのデメリット
では、実際に私が3階建ての家で生活してきて実感したデメリットを挙げていきます。多くのデメリットは、階段経由で移動しなくてはいけないことが原因となります。
体が衰えたときの不安がつきまとう
年をとって体が弱ったり、怪我をしたりすると階段の上り下りが大変になるんじゃないか?想像に難くないことです。
3階建では定番のデメリットであり、3階建てに住む以上は逃れられない不安といえます。これに関しては、実際に3階建ての家で生活している私でも「その通りだろうな」としか言えない。実際ちょっと疲れて足が痛いなという程度でも、階段の上り下りが苦痛になりました。
ただこれは移動量が違えど2階建てでも同じことがいえるはず。3階建てだからといって格段にデメリットの度合いが高まるかというと、そうとは言えないはずです。平屋かマンションじゃないとクリアできない不安でしょう。
家事動線に無駄ができやすい
掃除洗濯などの家事。
3階建ての風呂場はだいたい1階に設置されています。洗濯機もその横の脱衣所に置くという想定になっていることがほとんど。都会の3階建ては狭い土地を生かして建ぺい率ギリギリに家が建ちますから、1階には洗濯物を干すスペースなどありません。洗濯物を干すべく、重たい洗濯カゴを2階にあるベランダに運ばねばなりません。
そして掃除。どこの部屋に保管するにせよ、掃除機も階段で上へ下へと運ばねばなりません。階段が多いから掃除もちょっと面倒。
とまあ、家事をするにも階段を経由した無駄な移動が多くなります。慣れるといれば慣れますし、ほとんど毎日のことだから今現在は「当たり前のこと」として受け入れてますが、ときおりふと不安がよぎりますね。年をとったり怪我をしたら大変だろうなと。
しかしこれも2階建ての家と大きな差があるかというと、2階より1階分増えただけ。と考えると、大した問題でもないのかなと思います。
大型家電や家具の搬入が大変になる
3階建ての戸建ては2階にリビングダイニングキッチンが作られるパターンが王道です。
そこには家の中でも大きめの家具や家電を置きますよね。ちょっと想像してみてください。たとえばテレビとか冷蔵庫とかダイニングテーブルとかソファとか。新居に移るのを機にそれらを新しく買い換える予定の人もいるでしょう。ワクワクしますよね。
では次に引っ越し当日のシミュレーションをしてみてください。今まで使ってたやつを引き続き使うにしろ新しく買うにしろ、その大きいやつ、階段を通して2階に持って上げられます?テレビはいけるだろうとしても、冷蔵庫は階段を通りそう?
ちなみに私の場合は無理でした。さしあたり重さは度外視しても、階段が狭いから冷蔵庫通りませんでした!引越しに向けていろいろ想像はしていたものの、そこまでは考えが及ばず引っ越し当日に困り果てました…。結局窓から人力で釣り上げるという、文字通り力技で500リットルの冷蔵庫が搬入されたのでした。
クレーンなどで吊り上げるという作戦もありますが、そこには当然追加料金が発生します。調べたところ、だいたい3万円ほどかかるようです。これは結構痛い出費となります。大きな家電を2階以上に運ぶ場合は、サイズや重さを必ずチェックしなくてはなりません。
なお、家具についてはIKEAなどの組立家具を利用するのがおすすめです。今までソファや棚などの大型家具をIKEAで調達しましたが、いずれも大人の男一人でなんとか搬入ができました。3階建ての家にはIKEAがおすすめです。
エアコンの取り付け費が高額になる場合がある
エアコンって聞くとまず室内機を想像しますが、通常はそれとセットになる室外機が必要です。
ちょっと想像してみてください。3階の部屋にエアコンを設置する場合、室外機はどこに設置するでしょうか?部屋に隣接したベランダがあるならそこに設置できますが、ベランダがない場合どこに置く?屋根?壁?
もちろん屋根に置くという対応もできる場合があります。しかし3階にエアコンを設置する場合は、通常1階の地面に室外機を設置して、そこまで配管を伸ばすという方法を採用することが多くなります。3階から1階まではだいたい10メートルほどでしょうか。そこまで延々と配管を伸ばして接続すると。
この配管を伸ばすという工事の費用ですが、けっこうなお値段になります。エアコン本体を超える可能性も出てくる。3階にあるすべての部屋に取り付けるとなると、それ相当の工事費用を覚悟しておく必要があります。
台風などの災害時に破損箇所が見つけにくい
3階建ての家は、屋根までの高さが10メートルほどになります。
台風や地震など、屋根にダメージを受けかねない災害に遭った場合、屋根に問題がないかチェックする必要がありますが、3階の屋根だとこれが困難です。下から見上げてもさっぱり見えない。
2018年は大きな地震と強烈な台風にさらされ、この問題を痛感しました。
最終的にはあなたが決断を
以上、私が3階に住みはじめて数年の間に感じたデメリットを紹介しました。居住年数が増えればまだ見えていないデメリットがさらに出てくるかもしれません。仕方ない。これもまた3階建てに住むからには覚悟しなくてはいけないこと。
しかし3階建てには3階建てのメリットがあるのもまた事実です。
2階にあるリビングも案外悪くない。
3階について情報を集めるうちに不安でいっぱいになっている最中かもしれませんが、実際に自分がそこで生活することをしっかしシミュレーションしてご判断ください。
もう一度書きますが、私自身の実感としては「そんなに悪くないよ3階建て」というところです。