ローンで家を買うのなら必ず加入しなければいけないことになっている火災保険。
本当に使うときが来るのかな?無駄じゃないのかな?と思いつつも、家の立地などを考えて最適と思われるプランをそれぞれ検討されるんじゃないかと思います。私も例に漏れず「立地的に水害が起こるのは考えにくいから水災は外そう」「家財はどうしよう?」などと色々考えた末にプランを組んで申し込みをしました。
生命保険、医療保険、自動車保険などなど加入している保険はいろいろあるんですが、今までろくに使った機会がありません。それはそれで喜ばしいことなんですけども。なので火災保険も実際に使うイメージが湧かないまま「どうせ使わないんだろう」と申し込んだのが正直なところ。
それがまさか保険証券が届く前に、それどころか入居前に使うことになろうとは…
サイディング(壁)の破損を発見する
近畿地方に襲来した超大型台風号
2017年の10月下旬に超大型の台風として上陸した台風21号。
近畿地方に接近する台風としては近年まれに見る強さで、私が住む大阪府の北部では強風による被害が多発していました。大きなお屋敷にあった大木が倒れて道をふさいでいたり、古い家屋の壁がごっそりくずれたり。
一番風が強い時間帯が深夜だったので強風が吹くたびに風の音と物が飛ぶ音の恐怖で体が硬直、ろくに眠れませんでした。
なお、この翌年2018年の9月4日に同じ「台風21号」として関西を襲った台風。2017年の台風21号をしのぐ強い台風でした。この台風を3階建ての中でやり過ごした体験記を書いています。あわせてご覧ください。
木造の家は2階建てだろうが3階建てだろうが揺れますよ!
台風襲来は引き渡し直後のこと
話が前後しますが、その台風が襲来する数日前に新居の引き渡しがありました。鍵を受け取りついに自分のものとなった家。ここからは自分の責任で管理していかなければなりません。不安を感じつつも気が引き締まる瞬間でした。
そして引っ越しを二週間後に控え準備に追われる中、貴重な週末に襲来したのが例の台風21号だったのです。
あれ?なんか落ちてる
台風をやり過ごしたときに居たのは、以前に住んでいた賃貸。新居はそこから徒歩5分ぐらいなので、引渡し以降はちょっとづつ荷物を運んだりしながら行き来していた頃でした。
台風一過の翌日も新居を見に行き、窓ガラスが割れてないか朝イチで確認しにいきました。家の中から見たところ異常がないのでほっと胸をなでおろしつつ仕事へ向かおうとしたとき視界に違和感が。ふと見ると外構の砂利の上に謎の物体が置いてあるのを発見。

もうちょっと近づいて確認してみます。

ふと上を見上げました。隣の家の屋根に感じる違和感。なんだかパズルのピースが一つ足りないような。
隣家の瓦が我が家を直撃していた
確認しようと3階の部屋へ急ぎました。隣は2階建てなので屋根の上がバッチリ見えます。さっき落ちてた物体の真上は…あっ!

結構な重量がありそうです。当たったら大怪我だなと思いつつ、念のためもう一度下に降りて瓦が落ちている周囲を確認。瓦自体は古いものの無傷のようです。綺麗に落ちたんだな、砂利がクッションになったのかな?
風に飛ばされたにしてもどうやって落ちて来んだろう?さっき3階からみた土の塊を下から見上げて、足元の瓦へ視線を移そうとすると…あっ!

凹み自体は500円玉大ぐらいですが、それ以上に凹みましたね、心が。(うまくない)
なんと強烈な壁ドンなんでしょう…
以上は引渡しから約1週間後、引越しまであと数日というタイミングに起きたことでした。
火災保険の手続きと壁の補修工事
お隣さんに連絡がとれない
さて困ったことにお隣は空き家なのです。
瓦はお隣の所有物なので下手に触ることもできません。この時点では壁を直すどうこうより瓦を返さねばということ、しっかり屋根を直してもらって再発を防止してもらいたい、この2点が頭にありました。幸いにして壁の凹みはたいしたことないので。
困った末、この家の仲介をしてくれた担当者に泣きつき、何とかお隣さんとコンタクトを取っていただくことになりました。
まずは我が家を施工した会社に問い合わせてもらったのですが、個人情報のからみで教えてもらえなかったそうです。お隣が空き家ということは契約時に施工会社に聞いており、おそらくは建築前に境界の確認とかをしてると思うので連絡先は把握していたと思うのですが…仕方有りません。
その後わざわざ法務局で登記を調べてもらい、お隣の所有者の現住所まで直接行っていただいたのちなんとかコンタクトがとれ、後日私も直接お話をすることが出来ました。空き家をそのままにしているのでややこしい人だったら今後も面倒だなと不安もありましたが、普通の方で安心。屋根自体も速やかに修繕されたので一安心です。
保険は免責ゼロで自己負担なし!
不安を一つ解消したところで残るは壁の補修です。
火災保険は施工会社を代理店として申し込んでいたので、保険の窓口、現場の確認、工事の手配がワンストップで済み、大変スムーズでした。
今回の件は火災保険で言うところの「風災」にあたりますので、当然ながら保険で直すことができました。そして保険の申し込み時は特に何も考えず、代理店の提案したプランに沿って申し込んだのですが、幸いにして免責ゼロのプランで申し込んでいたので自己負担はゼロ円で済みました。助かった。
補修費用の見積もりを確認したところ、工事代と部品代をあわせて13万円ほど。ちょうどガスメーターが設置されている箇所だったので、メーターもいったん外して取り付ける必要があり、ガス会社の作業費も含まれていました。
13万円は10年払いの保険のおよそ半額です。これはまったく見当違いな感想なのですが、なんとなく「半分元を取った!」という気分でしたね。
工事自体は補修というより、サイディングのパネルを1枚そのまま張り替える方式になりました。破損箇所は500円玉程度の大きさ。だからサイディングの補修はパテを盛って塗装したり部分的な補修だと思っていたので意外でした。施工会社の判断で「新築だからそのほうがいい」だろうと。有り難い。かくして壁は元通り綺麗な姿に戻りました。
かくして一件落着。
どうせつかうことはないだろうと思って申し込んだ火災保険ですが、やはり大事ですね。身を持って実感しました。
自分で火災保険を選ぼう
幸いにして今回は火災保険を活用して出費ゼロで壁を直すことができました。
基本的に入らなければいけないものだから、仲介業者、施工業者、ローンを組んだ銀行等に言われるまま指定の保険を選んでしまいますが、火災保険は自分が入りたい保険を自分で選ぶことが出来ます。
とはいえ火災保険選びなんて一生のうちで数回しかないもの。普通はたいした知識が無いままなんとなく紹介された保険をおすすめされたプランで選んでしまいがちです。
少なくとく複数の保険会社から複数のプランを選んで検討するのをおすすめします。かくいう私は施工会社に言われるままの保険会社でおすすめされたプランに加入しましたが…結果オーライでした。でも「保険を決めるときあのプランを選んでおけば良かった」という後悔をすることもあるでしょう。
無料で診断してくれて、複数の保険会社の見積もりがとれるサービスもあります。迷ったらまずはこういうサービスを使って、保険の知識や金額の相場感を身につけると後悔しない保険選びができるはずです。